田舎役場職員の遠吠え

Almost anything you do will be insignificant, but you must do it.

発達障害の部下

私の部下にも、発達障害の職員がいました。

彼の行動の9割は、こちらの気持ちの持ちよう次第で、笑って済ませることができたので、少しづつ、日常生活の常識を教えるつもりで接していました。

でも、どうしても受け入れがたかったことは、「命」に対することでした。

例えば、彼の運転する公用車に乗っていると、人格が変わったようにスピードを出し、一時停止も、信号もお構いなしになってしまうことが何度もありました。

そのたびに安全運転を促すのですが、同時に複数のことに注意を向けることが難しいようで、運転業務については、かなり危ないものがありました。

 

あるとき、田舎道を走っていると急にスピードを上げ、小学生が下校している列のすぐ横を、猛スピードで走り抜けることがありました。

咄嗟に大声で注意しようと思いましたが、それまでにも運転中に話しかけて、ハンドル操作が危うくなったことがあり、通り過ぎてから車を停めさせ、注意しました。

その後は、遠くに小学生を見つけるたびに、かなり手前から徐行するように命じ、私の手はいつでもサイドブレーキに手をかけ、なんとか対応してきました。

 

そんなある日、農家を訪問した際のことです。

敷地に入った途端、急加速してハンドルを切り、家の前で遊んでいた子猫たちをひき殺してしまいました。

不意を突かれた私は、なす術がありませんでした。

 

彼は、殺すつもりはなかったと言います。

たぶんそれは彼の正直な気持ちなんだろうと思います。

思い返せば、空き缶を見つけて、わざわざ轢いていたこともあり、彼にとっては子猫も空き缶も、同じような対象でしかなかったのかもしれません。

新幹線で起きたニュースを見て、連行されていく犯人の表情が、私の部下だった彼とダブりました。

 

社会の受け皿が・・・

というコメントをテレビで聞き、誰もが「受け皿」のひとつだということを、もっともっと自覚する必要があるように感じました。

そして、日頃から、彼らに対して、具体的に何をどうして接していけばいいのか、教えてほしいです。

 

被害者の方のご冥福をお祈りいたします。