田舎役場職員の遠吠え

Almost anything you do will be insignificant, but you must do it.

人生の意味

 思い起こせば30数年前、地方の某大学を卒業し、1年間のバイトをしながら好き勝手に遊んだモラトリアムを経て、地方役場に就職することになりました。

とは言っても、今の役場に決まるまでの過程には、「?」と感じることばかり。

まずは採用されるまでのいきさつがビックリでした。

 

就職するにあたり、いくつかの大中小企業を受け、公務員試験も国家から地方まで、各種受験し、最終候補に絞ったのは、大手パンメーカーと、都道府県職員、そして地方役場職員の3か所。

ただ、都道府県職員は専門分野での合格だったことや、広い北海道内での転勤があったため、あまり乗り気になれず、早々にご辞退させていただきました。

パンメーカーには、どうゆうわけか大変好かれてしまい、4月発行の社内誌のインタビューや撮影等も1月中には全て済ませ、ほぼ100%、自分自身も就職するものだと思っていました。

地方役場の方はというと、最終合格通知が来たのが、なんと2月末。前年の9月には最終面接が終わっていたこともあって、ほぼあきらめていた中での通知でした。

 

実は、あきらめていた理由はもうひとつあり、こっちの方が大きな理由なのですが、当時、大学卒業後すぐに隣町の役場に就職していた友人からこんな話を聞いていました。

「地方役場には、コネがない限り100%無理。オレも親が農協の役員だし、役場の上司達も全員、地縁血縁でつながっているし、極端に言ってしまえば、ほぼ全職員が遠縁だから。あとは遠くの市町村役場の幹部や議員のコネだから。受けるだけ時間の無駄だよ。オレは今、総務課にいるんだけど、うちじゃあ、試験の前から合格者は既に決まってるから。」

 

ではどうして、合格通知が来たのでしょうか?

それにはこんな裏話がありました。

たまたまバイトが休みで、家にいたときに1本の電話がありました…

「あのさあ、うちで採用を予定していた学生が、市役所に就職することになってしまったからさあ、欠員が出てるんだよ。あんた来る気ある?」

いくら30数年前とはいえ、バイト採用の際にも、これほどまでに軽い口調で電話をもらったことはなく、「こいつ本物か?」という疑念を持ちながら、「あっ、じゃあお願いします」と言ってしまったのが、それから30数年間続く役場人生の始まりでした。

電話の最後には、「電話に出なかったら、他の奴に頼もうかと思ってたから、よかった、よかった、じゃ、よろしく〜」

 

携帯電話もない時代、真昼間に家に居たことの方が奇跡だったのに、こんなもんで決まる人生を振り返ると、あまり人生に意味を求めすぎるのも考えものです。

 

人生の意味の心理学〈上〉―アドラー・セレクション

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